【自宅で簡単】今日からできる! 40Hz(ヘルツ)ガンマ波を“知る”ところから始める、脳の健康を意識したセルフケア
年齢を重ねるにつれて、「最近、物忘れが増えた気がする」「将来、認知症にならないか心配」と感じる方は少なくありません。
こうした不安は、決して特別なものではなく、多くの方が感じているでしょう。
日本では、65歳以上の高齢者のうち約12%が認知症、さらに約15%がその前段階とされる軽度認知障害(MCI)に該当すると推計されています。
つまり、高齢者の約3人に1人が、何らかの認知機能の変化を抱えているのが現状です。※1
こうした背景の中、近年世界的に注目を集めているのが、40Hz(ヘルツ)ガンマ波です。
そのきっかけとなったマサチューセッツ工科大学(MIT) の研究成果は、英科学誌『Nature』や米科学誌『Cell』といった国際的な学術誌でも報告され、認知症研究の新たな可能性として関心が高まっています。※2,3,4
本記事では、40Hzガンマ波が脳にどのように働きかけるのか、その仕組みと科学的背景、そして今日から無理なく取り入れられる「音」によるセルフケア習慣について、わかりやすく紹介します。

なお、ここで紹介する主要な知見の多くは動物研究(アルツハイマー病モデルマウス)等で得られた報告を含み、ヒトにおける有効性は現時点で確立していません。
また、本記事は研究報告の紹介および生活習慣の一般情報を目的としており、特定の疾病の診断・治療・予防効果を保証するものではありません。
体調や治療中の方は医療従事者にご相談ください。
1. 認知機能の健康維持を意識したセルフケアの新たな関心テーマ「40Hzガンマ波」とは
1.1 脳波の種類と40Hzガンマ波の役割
私たちの脳は、常に微弱な電気信号を発しています。この信号リズムを測定したものが「脳波」です。
脳波は周波数帯によって分類され、それぞれ異なる役割を担っています。
| 脳波の種類 | 周波数帯 | 主な状態 | 役割 |
|---|---|---|---|
| デルタ波 | 0.5~4Hz | 深い睡眠 | 脳と身体の回復 |
| シータ波 | 4~8Hz | 浅い睡眠 | 記憶の整理 |
| アルファ波 | 8~13Hz | リラックス・瞑想 | ストレス緩和・心身の安定 |
| ベータ波 | 13~30Hz |
覚醒・緊張・作業中 |
情報処理・判断・分析 |
| ガンマ波 | 30Hz以上(主に30~100Hz) | 高度な集中・統合的認知 | 記憶、意識の統合 |
この中で最も高い周波数を持つガンマ波は、脳の情報処理が活発な時に現れる脳波ですが、加齢や神経疾患によりその活動が低下することが知られています。 ※5
※脳波は個人差が大きく、測定条件等によっても見え方が変わります。
1.2 40Hzガンマ波が注目される理由
40Hzガンマ波が注目されるきっかけの一つとなったのが、MITによる一連の研究です。
MITの研究では、40Hzの音や光の刺激によって脳活動に変化が観察されたという報告があり、アルツハイマー病研究の文脈で関心が集まりました。
特に、以下のような結果が動物モデル等で報告されています(※ヒトでの有効性が確立したことを示すものではありません)。
-
アミロイドβに関連する指標の変化が報告
アルツハイマー病と関連が深いとされる異常タンパク質について、動物モデルで変化が観察された報告があります。※3 - 脳の老廃物排出システム(グリンパティック系)に関する変化が報告
脳内環境に関係する仕組みに関して、40Hz刺激との関連が報告されています。※4
- 記憶テスト等の行動指標や脳ネットワークに関する変化が報告
神経ネットワークや行動指標に関する変化が示唆された報告があります。※6
これらの研究は、40Hzガンマ波が脳の働きとどのように関係するかを検討する研究として、現在も研究が進められている領域です。
2. 研究が進みつつある 40Hzガンマ波の報告

脳内環境を意識し、将来のリスクに備えるという考え方
アルツハイマー病は、発症の15〜20年も前から脳内で変化が始まっている可能性があるとされ、研究が続けられています。
その代表的な変化の一つが、アミロイドβと呼ばれるタンパク質の蓄積です。
このことから、「まだ症状がないから大丈夫」と感じている時期から、脳内環境を整えておくことが重要だと考えられています。
MITのマウスを用いた研究では、40Hzの音刺激が音を処理する聴覚野だけでなく、記憶を司る重要な部位である海馬においても、アミロイドβの蓄積を抑える可能性が報告されています。 ※3
2024年には、光と音による40Hz刺激が脳の老廃物排出システム「グリンパティック系」を活性化し、アミロイドβの除去を促進する可能性が報告されています。 ※4
これらの研究はまだ臨床段階ではあるものの、こうした科学的な知見から、40Hzガンマ波は症状が現れてから対処するのではなく、将来に備えて脳をケアするための「新しい選択肢」として注目を集めているのです。
※これらは研究報告の紹介であり、ヒトでの有効性が確立していること、また特定の方法や製品で同様の結果が得られることを示すものではありません。
3. 今日からできる! 40Hzガンマ波と始める脳のセルフケア
「難しそう」「特別な機器が必要なのでは?」と思われがちですが、日常生活の中でできる“脳の健康を支える基本”は、とてもシンプルです。
ここでは、音によるアプローチに加え、脳の健康を支える基本的な生活習慣について紹介します。
3.1 音楽で脳を活性化する
40Hz音刺激を取り入れた音楽は、もっとも手軽な方法の一つです。
普段音楽を楽しむのと同じように、リラックスして耳を傾けるだけで構いません。
MITの研究成果に着想を得て制作された40Hz音楽は、特別な訓練や準備を必要とせず、心地よく聴くことで将来への備えを気軽に習慣化できます。
【重要:医療目的ではありません】
以下で紹介する音源は、医療目的(疾病の診断・治療・予防)を意図したものではありません。
研究報告の紹介とは切り分けて、日々のリラックスや気分転換のための音楽コンテンツとしてご活用ください。
試聴できます♪
3.2 バランスの良い食事
塩分、糖分、アルコールの摂りすぎは、認知症のリスクを高めることがわかっています。
脳の健康を維持するためには、特定の食品に偏らず、以下のものをバランス良く食べることが大切です。
- 積極的に摂りたいもの: 野菜、肉、魚、豆類、適量の果物
3.3 適度な運動
運動は脳に良い影響を与えるだけでなく、認知症の要因となる生活習慣病の予防にもつながります。
- 週2〜3回、30分以上取り組む
- ウォーキングなど、軽く汗ばむ程度の軽い運動がおすすめ
3.4 人や社会との関わり
定期的に人と交流することは、それ自体が脳のトレーニングになります。
- 地域のボランティアや趣味の集まりに参加する
- 人とのつながりを持つことで、自然と身体活動が増えるという相乗効果も期待できる
3.5 生活習慣の見直し
アミロイドβは「睡眠中」に除去が促進される可能性が示唆されており、睡眠の重要性が研究されています。
そのため、十分な睡眠をとることは、日々のコンディションにとっても重要です。
- 質の良い睡眠で脳をしっかり休ませる
- ストレスをためないよう、好きな音楽を聴いたり、散歩するなど、自分に合ったリラックス法を見つける
4. まとめ
40Hzガンマ波は、MITをはじめ世界中の研究機関で研究が進められているテーマの一つです。
ただし、現時点では、ヒトにおける有効性が確立しているとは言えません。
一方で、脳の健康を支える基本は、食事・運動・睡眠・社会参加といった生活習慣にあります。
そのうえで、日々のリラックスや気分転換として「音」を取り入れることは、無理なく続けやすいセルフケア習慣の一つになり得ます。
【ご注意】
本記事は研究報告の紹介および生活習慣の一般情報を目的としています。
掲載内容は医療行為の代替を意図するものではなく、特定の疾病の診断・治療・予防効果を保証するものではありません。
体調や治療中の方は医療従事者にご相談ください。
【出典】
※1 厚生労働省研究班による調査と将来推計「認知症および軽度認知症(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計」令和4年 65歳以上の高齢者対象
※2 Nature, 2016 Dec 7; 540(7632): 230–235
※3 Cell, 2019 Apr 4; 177(2): 256–271.e22
※4 Nature, 2024; 627: 149–156
※5 Jensen et al., Trends in Neurosciences, 30, 317–324 (2007); Hermann & Demiralp, Clinical Neurophysiology, 116, 2719–2733 (2005)
※6 PLoS One, 17(12), e0278412 (2022).
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作品情報『ガンマ波ヒーリング~認知症セルフケアのための音楽』