【癒ログ】音楽に癒しの力はあるのか?

ストレス社会の現代では、ヒーリングミュージックをはじめとして、癒しの音楽に注目が集まっています。
音楽を聞くと何となく気持ちがリラックスするのは、誰もが感じると思います。
しかし科学的にみて、本当に音楽に癒しの力はあるのでしょうか?様々な角度から探ってみましょう。

歴史的に癒しに使われてきた音楽


音楽の癒しの力が最近クローズアップされていますが、実は音楽と癒しの関係には長い歴史があるのです。 古くは古代エジプトでは、音楽は「魂の薬」と考えられていました。また聖書にはダビデが竪琴を弾いてサウル王の心を癒したという記述があります。 ギリシャではアリストテレスは、その時の気持ちと同じような感じの音楽を聴くと癒されると考えていました。 シューベルト作曲の歌曲「音楽に寄せて」では音楽が心に光を与えてくれたと歌われています。 このように、私たち人類は常に音楽を癒しに利用してきました。

科学的にみた音楽の癒しの力


私たちも疲れているときなどに音楽を聴くと、リラックスした気持ちになりますよね。
しかし、本当に音楽で私たちはリラックスできるのでしょうか?単にリラックスしたような気になっているだけではないのでしょうか?
例えば米・コロラド州立大学ではパー キンソン病のうつ状態が改善したというデータがあります。
また長岡技術科学大学の研究では高周波音が癒し効果があるという結果が出ています。
リラクゼーション音楽を聴くとストレス時に分泌されるホルモンのコルチゾールが減少するという研究結果も多くの大学の論文にみられます。
また音楽を聴いたあとの心電図での測定で心拍数が減少し副交感神経が優位になったリラックス状態が計測されることはよく知られています。
音楽を聴いて癒されるしくみは複数の理由が複雑に絡み合っているため、一言で説明することは難しいテーマです。
しかし大学など信頼できる組織の研究結果も多々あるため、音楽の癒しの力については既に科学的に証明されていると言えるでしょう。

1/f ゆらぎと癒しの関係


音楽の中に含まれるリラックス要素の1/f ゆらぎ。これは自然界の音や、私たちの心拍数も持っているものです。 私たちは1/f ゆらぎを感じるとリラックス状態になります。 なぜリラックスするかというしくみに関してはまだ、完全には明らかにはなっていません。 おそらく、規則的でも、完全に不規則でもない1/f ゆらぎが私たちの感覚に調度いいのが一因ではないかと考えられています。 しかし、1/f ゆらぎを感じているときの脳波を計測すると、リラックス状態であるという研究結果は多々発表されています。 1/f ゆらぎが音に多い楽器はナンバーワンは、パイプオルガンです。 他にはチェンバロ、バイオリン、ハープなどがあります。一般的に弦楽器は1/f ゆらぎが多い楽器です。

こんな時に癒しの音楽


癒しの音楽と聞くと、疲れたときに聞くというイメージがあると思います。
癒しとは心理的に安心感がある状態のこと。
例えば大切な試験や、スポーツの前など集中したい時にも、癒しの音楽は有効です。
車の運転時におすすめです。他にもジョギング、散歩、ヨガ、ピラテスなどのエクソサイズ時にも。
気の乗らない家事をするときに聴けば、やる気アップにもつながります。
家族や友人とちょっとした諍いになってしまったり、仕事でミスをしてしまったり、何となくブルー気持ちのときこそ、癒しの音楽でリフレッシュしてみましょう。
とにかく心が何となくざわざわしているときは、いつでも癒しの音楽効果が期待できるときです。

どんな音楽が癒し効果がある?



癒し効果とは、科学的には前述したように心拍数が下がったり、
ストレスホルモンのコルチゾールの分泌が抑制されたりするリラックス状態を指します。

具体的な癒し効果のある音楽の要素は次の3つです。
・テンポはゆっくりめ(人間の心拍数ぐらいかそれより低め)
・音の高低・強弱の変動が小さく、メロディーラインがシンプル
・リズムが規則正しくおだやか
世界で最も癒し効果があるという調査結果もあるマルコニ・ユニオン作曲の「ウェイトレス」は、まさにこの3要素を持っている曲です。

音楽の癒しの力を最大限利用しよう!


癒しの音楽を聞くときは、その効果を最大限にしたいもの。
そのためには静かな落ち着いた環境で、あまりボリュームを上げすぎないことが大切です。