"運転中のイライラ" を防ぐ
アンガーマネジメント5選

運転中にイライラする女性

運転中のイライラが原因で起こる事故が後を絶たない中、怒りの感情と上手に向き合うメンタルトレーニング「アンガーマネジメント」は、運転中のイライラ事故防止に役立つスキルとして注目を集めています。

アンガーマネジメントでイライラと上手く付き合う


アンガーマネジメントは怒らないようにするメソッドではなく、感じた怒りを爆発させずに上手に相手に伝える方法です。また、相手を特定できない怒りには、自分で怒りのパワーを静め、ストレスを軽減させる事も可能です。

車の中だからこそ起こるイライラ感


運転する人は、車という密室空間の中では、車と一体化したような気分になりやすいと言われます。

簡単な操作で100km/h以上の速さで走れるのは爽快そのもの。そのせいか、自分自身が万能であるかのような誤解が生まれ、思い通りに動かない周囲の状況に怒りを感じやすくなる傾向があります。つまり、運転中は "イライラの精神状態" になりやすい場面とも言えるかもしれません。

アンガーマネジメントでイライラをコントロールするポイント


運転中に飲み物を飲む女性

「渋滞で車がなかなか進まない…」「赤信号にぶつかってばかりで進まない!」イライラを感じたら試して欲しいアンガーマネジメントを、初期対応とその後の対応、そして予防の順でご紹介いたします。

1. 初期対応が大切!イライラのピークとなる6秒間に出来ること


イライラを感じると「アドレナリン」というストレス性のホルモンが出ますが、このアドレナリン放出のピークは6秒と言われています。

6秒を過ぎるとアドレナリンは徐々に減っていくので、始めの6秒をぐっと押さえれば、それ以上のイライラは続かないはずですよね。

イライラの6秒をやり過ごす方法はいくつかあります。自分のやりやすい方法を、運転に危険のない範囲で試してみましょう。

  1. 深呼吸
    深呼吸を3回ほど行えば6秒はあっという間に過ぎます。最も手軽で効果もあり、健康的な方法です。

  2. 数を数える
    何秒と数えるよりも、100までゆっくりと数えます。カウントダウン方式で、100から逆に数えるのも後から述べるように前頭葉を使った好意なのでおすすめです。

  3. 体を冷やす
    保冷剤やおしぼりがあるなら、首筋に当てて体を冷やしてみましょう。

  4. 飲み物・ガムやキャンディ
    これも手軽に出来る気分転換ですね。

  5. ストレッチ
    停車時に危険のない範囲で肩を中心に上半身のストレッチをするのも効果的です。


2. イメージで怒りを手放す


こちらは深呼吸などで6秒経って少し落ち着いたら試す方法です。ハンドルを握っていない方の手をゆっくりグーパーします。

この時、握っている怒りの感情を手放すようなイメージですると良いでしょう。

3.マインドフルネスで前頭葉を使う


不快刺激に対してすぐに反応するのは、怒りの中枢と言われる扁桃体。マインドフルネス瞑想をしていると扁桃体の機能が低下し、前頭葉の活動が活発になるそうです。

数を数えることも前頭葉の動きを活発にします。呼吸にだけ意識を留めることも同様です。

また、普段から車内にイライラしない環境作りをしておくのも大切です。

イライラしてくると、車内の汚れや余計な物が急に気になるもの。普段からストレスのない空間を作っていきましょう。

4. イライラしない環境づくりに一役―車内でも音楽を楽しもう


カーオーディオ

ヒーリングミュージックの中には「車の中で聞くのにおすすめ」「イライラした時に聞きたい音楽」などのセレクトアルバムもあるほどです。

イライラして緊張した状態の脳の緊張をほぐす「1/fゆらぎ」のような、川のせせらぎや波の音などと同じ周波数が多い曲や、前頭葉を活発化させて扁桃体の働きが低下させるθ(シータ)波を誘発する曲には、イライラを防ぐ効果があると言われます。

例えば、「ひふみん」こと将棋の加藤一二三氏が大スランプに陥り、いくら考えても勝てない時期があったそうです。

ところが、モーツアルトのバイオリン協奏曲第3番を聴いたら、とても気持ちが軽くなり、リラックスして対局でき、そこからまた勝ち始めてスランプを脱出したんだとか。

モーツアルトと言えば、癒やしの作曲家の代表格ですね。勝てなくて加藤氏もイライラして脳が緊張していたのかもしれません。モーツアルトの音楽のα波効果の実例と言えるかもしれません。

しかし、人によってはリラックスし過ぎて眠気を覚える場合もあるかもしれませんので、注意が必要です。また、運転中に選曲していると事故の危険もありますので控えましょう。

あらかじめ、お気に入りの曲ばかりセレクトした運転用のアルバムを作っておくのが良いかもしれません。

また、好きな作曲家の曲をじっくり集中して聞いていれば渋滞などは気にならないはず。ある人は、ベートーベンの第9交響曲(「第九」)を第1楽章から聞き始め、最後の第4楽章の『歓喜の歌』まで聞いたところ、感動のあまり「渋滞などどうでもよくなった」という体験談もあります。

5. 好きなアロマなどで落ち着く雰囲気に


車の中は空気がこもり、嫌なにおいも鼻につきます。これはイライラ感が増す原因にもなります。

好きな種類のほのかなアロマなどの香りを利用して落ち着く空間にする工夫もひとつの手!アロマ精油の中には心を落ち着かせる作用の香りが数多くあるので試してみてはいかがでしょう。

イライラは体調にも関係あり


体調の良し悪しは感情と密接に関係しています。やむを得ない場合以外は体調が良くない日の運転は避けましょう。こんな日は普段なら気に留めない事にもイライラしてしまうものです。

自宅でゆっくりとリラックスできる音楽を聞いて休養し、ベストな体調でドライブを楽しんでください。