入浴中の音楽でリラックス効果を格段に上げる "3つのポイント"

入浴中の音楽
入浴は疲れやストレスを解消する効果があり、特定の音楽を聴きながら入浴することでリラックス効果をさらに高めることが可能です。

今回は、音楽を聴きながら入浴する際にリラックス効果を格段に高められる "3つのポイント" を紹介します。

1. 「1/f ゆらぎ」が多く含まれる "環境音楽" を聴きながら入浴する

雨と傘
個々の趣向によってそれぞれ好みの音楽は千差万別ですが、「1/f ゆらぎ」が含まれている音楽のジャンルは限られます。

「1/f ゆらぎ」は心身をリラックスさせるヒーリング効果があるため、入浴中に聴く音楽は「1/fゆらぎ」が多く含まれている "環境音楽"(アンビエント・ミュージック)がお薦めです。

「1/f ゆらぎ」とは主に風で木々が揺れる音や雨が降る音などに含まれている規則性と意外性が伯仲した独特な“ゆらぎ(リズム)”です。

サウンドに限らず木の木目や蝋燭の灯火といった視覚的な情報にも含まれており、聴覚や視覚を通じて「1/f ゆらぎ」を脳が感知すると不安感や緊張感が低減されます。

「1/f ゆらぎ」の空間・環境を人工的に再現した実験によると、「1/f ゆらぎ」を感知した被験者からヒーリング効果が得られた検証結果があります。本実験では「1/f ゆらぎ」を周波数解析し、照明機器を使い独特の“ゆらぎ(リズム)”を光源化して被験者に照射。

視覚情報を通じて「1/f ゆらぎ」を感知させ被験者の脳波を測定した結果、光源を照射後は不安感の減少および快感情度の向上が認められ、ストレスを低減する効果が得られました。 [注1][注1]宮保研究室:1/fゆらぎを適用した癒し環境空間の検討[pdf]

2. 「α波」を誘発する作用のあるクラシックを聴きながら入浴する

クラシック音楽
脳は心身のコンディションに合わせて静と動の脳波をそれぞれ切り替えており、仕事や家事などに従事している最中の意識が覚醒した状態では「β波」(約13Hz以上)が優位になる仕組みです。

一方で休憩中や寝る前などのリラックスした状態では「α波」(約8〜13Hz)が優位に切り替わり、副交感神経が亢進されるため眠気が誘発されます。クラシックは「α波」を誘発する作用があるため、聴きながら入浴すればリラックス効果を高めることが可能です。

「α波」が優位になると「β-エンドルフィン」が脳内で分泌され、多幸感が得られてストレスが解消するとされています。「β-エンドルフィン」はマラソンなどの有酸素運動を一定時間続けることでも分泌されるホルモン(オピオイドペプチド)の一種です。

また「α波」は細分化すると「アルファ1波」(8.5〜10.5Hz)と「アルファ2波」(10.5〜12.5Hz)の2種類が存在し、より心身がくつろいだ状態を反映するのは「アルファ1波」とされています。[注2][注2]九州大学附属図書館:モーツァルト音楽による快適性の脳波変動への影響[pdf]

3. 37〜39度前後のお湯に浸かって副交感神経を刺激する

給湯温度
音楽を聴きながら入浴する際は、37〜39度前後のお湯に浸かって副交感神経を刺激しましょう。浸かるお湯の温度によって心身がうける影響は異なり、42度以上の高温浴は新陳代謝向上や疲労回復に効果的とされています。

ただし高温浴は交感神経が優位になるため、目が覚めてしまいリラックスできません。

37〜39度前後のお湯に浸かる微温浴は筋肉の硬直を解いて副交感神経を優位にする作用があるため、くつろぎながら心身をリラックスできます。お湯に浸かる時間の目安は15分程度であり、入浴するタイミングは就寝する1〜2時間前がお薦めです。

入浴すること自体もデトックス効果や深部体温を整える作用がありますが、音楽を聴きながら入浴すればさらに高いリラックス効果を得られます。1日の終わりに音楽を聴きながら入浴すれば溜まった疲れやストレスが解消されるため、翌朝の目覚めが良くなるかもしれません。

音楽を聴きながら入浴する際は「1/f ゆらぎ」を含んだ環境音楽や「α波」を誘発するクラシックを聴き、熱すぎないお湯に浸かってリラックスしましょう。