「涼感アロマ」で熱帯夜を快適に!
手軽にできるアロマ活用術

連日猛暑が続いていますが、”涼感” をもたらすことを日常の中に取り入れて、わずかでも快適に過ごして元気に夏を乗り切りたいものです。
その “涼感” とは感覚なので「嗅覚」「聴覚」「触覚」などに働きかけるとよいでしょう。



日本には、昔から暑い夏を快適に過ごすための工夫があります。たとえば風鈴は聴覚を刺激して音色から涼感をもたらす粋な知恵です。白檀(びゃくだん)の扇子はその馥郁(ふくいく)たる香りを拡散することで爽快感を与えます。

特に嗅覚は、脳の中の「快・不快」を処理する部分に直接情報が届きます。アロマを上手に活用して、"嗅覚" を刺激し、快適感を増しましょう。

"涼感" をもたらすアロマとその使い方をご紹介いたしますので、是非ご家族みんなで活用してください。

香りで "睡眠の質" を高めよう!



熱帯夜では眠りが浅かったり、暑くて目が覚めてしまい寝不足になりがちです。公益社団法人日本アロマ環境協会によると、眠りが浅い高齢者が、就眠前にオレンジ・スィートのエッセンシャルオイルの香りを嗅いで就寝したところ、香りのない水と比較して、就眠前の副交感神経活動が優位に増加したといいます。これは眠る前にふさわしい身体の状態です。副交感神経は、リラックスすると活発になる自律神経のひとつです。

さらに、就寝中も香りを漂わせ続けたところ、香りのない水と比較して、翌朝、起床後の副交感神経活動が低下しました。これは起床後の覚醒度が向上して、すっきり目覚めたことを示しています。結果的に、"睡眠の質" が良くなったわけです。

コットンに垂らすだけ!
良眠アロマ「オレンジ」の活用法



簡単な方法として、オレンジ・スィートのエッセンシャルオイルを1~2滴垂らしたコットンを枕元に置いて眠ります。オレンジ・スィートの香りは、さわやかな柑橘系で誰にでも好まれるため、一緒に休む人にも嫌がられません。エッセンシャルオイルの価格も比較的お手頃です。

ちなみに、眠る直前までスマートフォンの明るい画面を見ていると眠りのホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されるといいます。オレンジアロマの効果を高めるためにも、配慮したいものです。

1日の疲れを癒す「ミントのタオル」

仕事から帰ってきたら、ミントの香りのおしぼりでクールダウン!1日の疲れが癒されます。
洗面器に水を入れ、そこにペパーミントのエッセンシャルオイルを1滴落とし、ミニタオルを湿らせしぼります。そのまま肌に乗せてもいいですが、丸めてビニールの袋に入れ冷蔵庫で冷やしておくと、さらに冷たく爽快です。

涼感-4

首の後ろや脇、日焼けした腕や足にタオルを乗せて活用します。ただし顔には使わないでください。まぶたや鼻の上にタオルを乗せると刺激があり過ぎるため、粘膜がヒリヒリとして涙やくしゃみが出ることがあります。
ペパーミントの香りは冷蔵庫に入れても違和感のない香りなので、他の食品にも影響はほぼありません。

※注意点
・ペパーミントのエッセンシャルオイルは1滴で十分香ります。分量を守りましょう。
・冷蔵庫にタオルを長く入れっぱなしにしてください。香りがなくなります。

頭皮すっきり!アロマ・ヘアローション

「頭寒足熱」という言葉がありますが、暑い季節は頭部を冷やして、ほてりをしずめましょう。日中ならリフレッシュ効果、お風呂上りなら香りでリラックスできる、エッセンシャルオイルを入れたヘアローションもお薦めです。

好みの香りのエッセンシャルオイルでOKですが、おすすめはローズマリー。さっぱりとした香りが涼感をもたらし、また過剰な皮脂分泌を抑制し、汗のにおいも軽減します。ローズマリーだけでは薬草っぽいため、オレンジ・スィートやメリッサといったシトラス系のアロマを混ぜると、グンと良い香りになります。



<アロマ・ヘアローションの材料>

  • エッセンシャルオイル3~5滴
  • 無水エタノール5ml
  • 精製水45ml
※エッセンシャルオイルのブレンド例
ローズマリー2&メリッサ2
ローズマリー2&オレンジ・スィート3 など

<作り方>

  • 無水エタノールにエッセンシャルオイルを1滴ずつ入れて清潔なつまようじなどでよくかき混ぜます。
  • 1に精製水を入れてさらにかき混ぜて、スプレー容器に入れれば完成です。
<使い方>
    アロマ・ヘアローションをよく振ってから、頭皮にスプレーして、指先で頭皮をもみます。
    洗髪後の清潔な頭皮はもちろん、外出先や仕事の合間の休憩時に、簡単にお手入れすると、頭がすっきりして眠気もぬぐってくれます。
【保存】
    暑い場所を避けて保存し2週間を目安に使い切りましょう。冷蔵庫で保管しても大丈夫です。

アロマテラピーを楽しむときの注意点

  • ずっと同じ香りを広げ過ぎず、適度に換気を心がけてください。
  • 植物100%から採られたエッセンシャルオイル(精油)と書いてあるものを使いましょう。
  • 原液をそのまま肌につけないようにしてください。またエッセンシャルオイルを飲まないでください。