「朝活」をスタート!さあ、あなたは何時に起きる?

「朝活」の目標起床時間は何時?

数年前から「朝活(アサカツ)」がブームです。よく頂く質問にも「朝活したいのだけど、何時に起きるのがベストですか?」と聞かれることがあります。ヒーリングプラザの読者の方にも朝活にチャレンジしてみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。今回は、朝活のための起床時間について考えてみたいと思います。

Woman stretching in bed after wake up, back view. Model is posing in lingerie

ショートスリーパー?ロングスリーパー?または!?

朝活のベスト起床時間についての本題に入る前に知っておきたいのが、自分の睡眠の長短によるタイプ。
ショートスリーパー、ロングスリーパー、バリュアブルスリーパーという言葉を聞いたことはありますか。

実は、一般的な人口比でこのような必要睡眠時間の長短の傾向があります。

図1
あなたは、この3タイプのどれに当てはまるでしょうか、確かめてみてください。
いずれも、これらの必要睡眠時間で、正常な生活を長く健康に送ることができる人というのがポイントです。

「平日はいつも6時間以下の睡眠だから、私はショートスリーパーかも?」と思っているあなた。
休日に寝だめと称してお昼近くまで寝ているような場合はショートスリーパーにはあてはまらないので注意が必要です。

早朝3時、4時起き!時間が早過ぎる朝活ってどうなの?

先程の表からも分かるとおり、人口比で約9割の方々が、6〜9時間の睡眠時間を必要とするバリュアブルスリーパーにあたります。

ここ数年に出ている、朝活関連本や雑誌の特集には、「朝3時、4時起きで成功した!あなたもできる!」といった内容の、著者の成功体験に基づいたものが多く見受けられますが、もし、一般的な睡眠者が健康的な生活を送りながら3時、4時起きを継続して実践するのであれば、夜の8時、9時頃には就寝する計算になります。このような生活を続けることは可能でしょうか。

睡眠の時間はムダな時間?

おそらく、「3時、4時に起きて頑張ろう!」と、短眠法を使い、睡眠時間はムダと朝早く起きて頑張りたい方の多くは、忙しく過ごしている方が多いでしょう。

もともと体質的に5時間以下の睡眠でも満足する方の場合は、それでも大丈夫なのかもしれませんが、前述のとおり5時間以下の睡眠で正常な生活を長く健康に送ることのできるショートスリーパーは、人口の1%未満と、かなりの少数派です。
それ以外の人が極端な早起きで短眠を続けていると健康に何らかの影響が出る可能性がある、ということになります。

Sleepy young woman trying kill alarm clock while bury face in pillow. Early wake up, not getting enough sleep, getting work concept. Female stretching hand to ringing alarm willing turn it off
国民生活時間調査(※1)によると、調査によると日本人の寝る時間は23〜24時の間が最多だと言われています。

午前0時前後に就寝しているバリュアブルスリーパーが、無理して3時4時起きの朝活を継続したとしたら、体調を壊してしまいかねません。
メンタル面の悪影響も心配ですね。

コルチゾルという明け方の睡眠後半に分泌が最大になるホルモンがありますが、コルチゾルには抗炎症、免疫促進作用がある。
朝活初心者の場合、睡眠の後半はムダと切り捨て極端な早起きしようと意気込みがちですが、こちらも考えもの。

免疫機能が減退すると、健康全般に影響が出やすくなり、ダニや花粉が少し入ってきただけでアレルギー症状を引き起こしてしまったり、アトピー性皮膚炎や花粉症の発症リスクも増大する可能性が高まります。
朝活と称したムリな早起きは禁物なのです。
※1;NHKによる全国10歳以上の国民1万2600人を対象とした国民生活時間調査

一般的な方の短眠の限界は6時間!

さて、一般的な睡眠者であるバリュースリーパーの方から「ショートスリーパーになりたいのだけど、なれますか?」という質問もよく受けます。
できないこともないけれど、無理なく短縮できる限界は6時間という結果が国内外の研究結果からも出ています。
また、睡眠短縮の過程では、日中に強い眠気を催したり、寝不足感に苛まれたり、目覚めの悪い日々を6ヶ月も(!)経験することになるそうです。

ライフスタイルや動機によりけりですが、体調の良し悪しはメンタル面にも大きく影響をおよぼし、忍耐力と精神力で耐える必要も出てきます。

たった1〜2時間の睡眠短縮のために、ショートスリーパーへの転身を目指すのは得策ではなさそうです。

体温リズムや騒音から考えてもムリは禁物!

次に、1,000人の交代勤務者からの睡眠障害の訴え率によるデータをみてみましょう。

このデータからも分かるように、夜勤の方も、早朝勤の方も、睡眠障害の訴えは多く、睡眠時間短縮も起こりがちで、家族や戸外からの騒音に対する訴えも多くなるということが分かります。

(2)のように、6時に始業するための早朝勤の方は、午後4時、5時起きの必要が出てきますが、この時間帯は一般的に体温が最も低い時間で、目覚めても強い眠気のある方が多い時間帯となります。
熟眠感や休息感などの睡眠の満足度にも影響が出てきてしまうのです。

たった2時間の早起きをするだけなのですが、カラダへの影響が想像以上に大きいことがお分かりいただけるはずです。

図2

朝日浴が可能な時間帯に起床するのがポイント!

朝日浴がスッキリお目覚めのポイントということは以前お伝えしましたが、逆に、暗い中で起きる場合は、目覚めた時の爽やかな感覚が得られにくくなります。

夏季には4時頃から日の出を迎える地域も多いのですが、縦に長い日本列島。夏でも南に行けば行くほど6時台にならないと日の出を迎えない地域もあります。また、秋冬の4時は夜のように真っ暗な地域がほとんど。
朝日浴できない中での朝活は、ツラさや負担感を伴いがちです。

もし、「夜は8時、9時に眠ることができます!」という方でも、ご家族と同居されている場合は、ご家族が眠っていないケースも多く、生活騒音で入眠を妨げられるということもあるでしょう。

Man running on tropical beach at sunset

朝活のための起床時間の見極め方…総まとめ!

これまで説明してきたことを総合し、
以下を参考に朝活のための早起き時間を決めてみよう。

1.自分の必要睡眠時間は何時間かを知る

→約9割が6〜9時間のバリュアブルスリーパー、
5時間以下のショートスリーパーは1%未満

2.少なくとも午前0時までには就寝する

自分の必要睡眠時間から計算して身体に無理ない起床時間は何時頃になるか知る
→バリュアブルスリーパーで、毎日の就寝時間が午前0時の場合は早朝6時以降が無理ない時間

3.±2時間以上の変動に体内時計はついていけない

土日関わらず継続的に起床できる無理ない時間に設定する
→就床時間が0時頃なのに平日は朝活で5時、4時起きし、休日はお昼まで寝ている場合は、体内時計のリズムが崩れてしまい、月曜日からの体調に悪影響を及ぼしてしまう。平日・休日に関わらず、継続して起床可能な時間を見つけよう

4.設定した起床時間は日の出を迎えている時間かどうかを確かめよう

→国立起床天文台の各地のこよみから、お住まいの地域の今の時期の日の出時間を確認し、朝活してみよう。
朝活が流行っているからといって「自分も頑張らなければ!」と焦り、「4時に起きねば」、「5時に起きねば」と強迫観念に陥る状態になるのはナンセンス。カラダに支障が出るほどの極端な早起きにもリスクがあると認識しましょう。同時に、夜更かししがちな方は、夜更かしせずに眠る工夫も考えてみてください。
プチ・朝活…くらいのイメージで、楽しく、わくわく、気持よく続けられる形で、自分にとって最適な睡眠時間を確保しながら朝活を楽しんでください!
真面目になりすぎず、無茶をせず、ほどほどにするのが良い加減です。