疲れや緊張の緩和に。
デスクワークの合間にできる、リラックス法



1年のなかでも唯一祝日がない月「6月」。
梅雨どきの天候も相まって、なんとなく気分が晴ればれしなかったり、疲れやだるさなどを感じていたりする方がいらっしゃるかもしれませんね。

小さな心身の不調が積み重なって大きなダメージとなる前に、自分自身をいたわってあげましょう。
今回は、心と身体に効くリラックス法をご紹介します。

疲れているのに眠れないのは “自律神経” が乱れているから?



残業続きで疲れているはずなのに、頭は冴えてしまって寝つきが悪い…そんな経験はありませんか?このとき、身体はどんな状態にあるのでしょう。

私たちの身体は、「自律神経」と呼ばれる神経系によってコントロールされています。
自律神経とは、簡単にいうと呼吸や内臓の機能、血圧、体温調節など、「自分の意志とは関係なくはたらいている神経系」のことです。
私たちが「息をしよう」と意識するまでもなく呼吸ができているのは、自律神経がはたらいているからです。

そして、自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。
交感神経は、いわば「活動」「興奮」をつかさどる神経です。
仕事や活発な運動をしているとき、また不安や緊張、焦り、イライラといったストレスを感じたときにも優位になります。

一方の副交感神経は、「リラックス」「休息」をつかさどります。
食事中や睡眠中など、くつろいでいるときに優位になっており、消化吸収、身体の回復といった機能にかかわります。

交感神経と副交感神経がバランス良くはたらくことで、私たちは健やかな生活を送れるわけですが、ストレスフルな日々が長引くと、交感神経が優位な状態が続く、つまり自律神経がアンバランスになってしまいます。
冒頭の「疲れているのに眠れない」は、まさにそんな状態なのです。

座ったままでOK!オフィスやおうちで出来るリラックス法



気持ちがモヤモヤしたり、疲れを感じたときは、副交感神経を優位にしてリラックスすることが、ストレスを長引かせないコツです。
そして、身体をリラックスモードに切り替える方法のひとつに、「筋肉をゆるめること」があります。
ここでは、オフィスや自宅のイスに座ったままできる、筋肉をゆるめてリラックスする方法をご紹介しましょう。

<イスに座った姿勢でできる、筋弛緩法(きんしかんほう)>

始める前に

からだをしめつけない状態が好ましいです。オフィスで行うときは、ネクタイやベルトなどをゆるめ、メガネ、腕時計なども外して、リラックスしやすい環境をつくれるといいですね。イスに座り、軽く目を閉じて、深呼吸をひとつしてから始めましょう。

<方法>

1. 両足のつま先を立てて、ギュッと力を入れたまま10秒間キープ。
その後、息をはきながら一気に力を抜き、呼吸を整えながら力を入れていたつま先がゆるんでいく感覚を20秒間味わう。
これを各部位3回を目安に行う。

2. 1と同様のセットを、ふくらはぎ、太もも、お尻、お腹、背中の順に行う。

3. 両肩を耳に近づけるようにすぼめて10秒間緊張させ、息をはきながら一気に力を抜いて20秒間リラックス状態を味わう。

4. 両腕の肘を曲げて二の腕に力を入れ10秒間キープ。
息をはきながら一気に力を抜いてダランとさせ、20秒間リラックス状態を味わう。

5. 腕は楽に伸ばした状態で、両手の手のひらをギュッと握りしめて10秒間キープ。
息をはきながら一気に力を抜いて20秒間リラックス状態を味わう。

6. あごを引き締めて奥歯に力を入れ、鼻にしわをよせ、口をすぼめ、目をかたく閉じて顔をしかめた状態を10秒間キープし、息をはきながら一気に力を抜いて20秒間リラックス状態を味わう。

7. 1〜6まで終わったら、しばらくじっとしてリラックス状態を味わう。リラックスをした後は、手の開閉(ジャンケンのグーパー)をしたり、伸びをしたり、首や肩を回したりして、からだをスッキリと目覚めさせる。

筋弛緩法はいったん筋肉に力を入れて緊張させてから弛緩させるので、実際にお試しいただくと「筋肉がゆるんだ」感覚がわかりやすいかと思います。

オフィスなどで全ての動作ができないときは、足や肩などだけでもOK。
ポイントは、力を抜いた後に筋肉の緊張がほぐれるのをじっくり味わうことです。

筋肉をゆるませて副交感神経が優位になると、心も穏やかになって安定しますので、ストレスや疲れを感じたときはもちろん、緊張しそうな会議やプレゼンの前にもおすすめです。ぜひ、日常生活に取り入れてみてくださいね。