「自律神経にやさしい音楽」の検証

監修 : 牧野 真理子/心身医療「内科」専門医・医学博士

POMS(気分プロフィール検査)

 

 POMSとは、気分の状態を6つの尺度で測定する心理テストで、心療内科の領域では、治療効果を判定する尺度として使われるツールの一つです。6つの尺度とは、「緊張」「抑うつ」「怒り」「活気」「疲労」「混乱」です。

このCD聴取前と聴取後にPOMSを施行し、これらの6つの尺度にどのような変化があらわれたのか検証してみました。対象は46人の健康な男女(男性17名、女性29名)です。CD聴取前後の男女のデータをご覧ください。(グラフ1、2)

グラフ1

グラフ2

怒りのレベルは聴取前と後で不変ですが、他の項目は大きく有意差をもって変化しています。CD聴取後は、緊張が緩和、抑うつ感は減少、活気が出て、疲労が軽減し、混乱した気持

ちが落ち着いたといえます。

すべての項目が有意差をもって変化しています。CD聴取

後は、緊張が緩和、抑うつ感は減少、怒りは落ち着き、活

気が上昇し、疲労感が軽減しています。女性の場合は活

気の上昇が顕著にみられました。

この結果から、CD聴取後、自律神経がリラックス方向に変化したことが示唆されました。CD聴取後のアンケート調査により、多くの方がこの音楽に対し「安らぎ」「癒し」「リラックス」「爽やか」等のイメージを自覚されたことも分かりました。

 

 

唾液中 クロモグラニン A 検出

 

 唾液中のクロモグラニンAは、内分泌系、神経系に広く分布し、特に副腎髄質と下垂体に高濃度で検出される物質で、自律神経系の刺激によって唾液中に放出されます。つまり、唾液中のクロモグラニンAを測定することにより、自律神経系の活動のレベルを調べることができます。唾液中クロモグラニンAの測定値が減少すると、ストレスが軽減したと理解します。

16名の被験者(男性10名、女性6名、平均年齢36歳)において、CD聴取前、聴取後に唾液中のクロモグラニンAの測定をいたしました。

グラフ3 グラフ4

聴取前3.7pmol/mLが、聴取後3.321pmol/mL と減少していま

す。このCD聴取により心身のストレスが軽減できたことを示

唆しています。

CD聴取前、聴取中、聴取後の3点で測定したところ、

 ●聴取前 5.297pmol/mL

 ●聴取中 4.31pmol/mL

 ●聴取後1.975pmol/mL

と次第に減少しており、聴取後は数値が半分以下に低下しています。この結果から、CDを聴取することにより心身ともにリラックス効果が得られたことがわかりました。